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タクシー距離制限 全国最短に(産経新聞)

タクシー距離制限 全国最短に(産経新聞)

 ■近畿運輸局「安全確保狙い」/格安業者側「いじめに近い」

 国土交通省近畿運輸局は16日、京阪神地区の主要都市で毎日営業する「日勤」勤務のタクシーについて、道路運送法に基づき、1日の1台あたりの走行距離の上限を250キロとする新基準を公示した。全国で最短となる。大阪のタクシーの事故発生率が高く、距離を制限し安全走行確保を狙うという。しかし大阪に多い「初乗り500円」の格安タクシーは、距離を走ることで利益を上げており、タクシー業者らは「いじめに近い」と反発している。

 近畿運輸局によると、新基準は、来年1月1日から適用される。大阪や京都、神戸など京阪神の計31市2町で営業し、毎日走行する「日勤」のタクシーが対象。これまで1日16時間の走行時間の制限があったが、距離制限はなかった。

 平成14年の改正道路運送法で、タクシーの増車や新規参入が原則自由化され、大阪府内では緩和前よりも約2千台多い約2万3千台になった。タクシーが供給過剰となり、事故件数も最大で2割増え、大阪市などのタクシーの事故件数も、平成20年は走行距離100万キロあたり9・089件と、全国平均を2件近く上回っていた。

 運輸局が今年、大阪市などのタクシー業者27社を調べたところ、「日勤」勤務の運行の5%が250キロを超えて走行していた。ほかにも過労運転や乗務記録の改竄(かいざん)も目立ち、安全確保のため距離上限を設けることになった。

 しかし、初乗り運賃が安いタクシーほど乗車距離が長くなる傾向が強く、新基準導入に格安タクシー業者が反発。ワンコインタクシー協会(大阪市城東区、16社)の馬場重弘副会長は「われわれは流し運行が主流なので厳しい措置。夜間は長距離客が多く、500円タクシーの業者つぶしとしか思えない。安全確保や社員教育もしているのに(一律に走行距離制限を設けるのは)疑問だ」。

 格安タクシー会社の男性運転手(44)は「走行距離を規制されると、生活に困る仲間が出てくる。流しながら長距離を走ると250キロどころか、300キロを超える。なぜ私たちを締め付けるようなことをするのか」と憤りを隠さない。

 格安タクシーをめぐっては、同運輸局は11月、初乗り500円の認可継続を申請していた個人タクシー8人に、「現状の収益では安全確保に必要な経費を工面できない」などの理由で、値上げするよう通達。現在、格安タクシーを営業する法人の認可を審査中で、結論は来年に持ち越されるとみられる。

 安部誠治関西大教授(公益事業論)の話「規制緩和でタクシーの台数が増えて競争が激化し、補うために走行距離を稼ぐ傾向が強まっているのが業界の現状。安全対策としては妥当な策だ。ただ、タクシー運転手は厳しい環境に置かれており、新しい仕組みをつくることが求められる」

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